02+++破滅、喪失、そして。

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「ところで、海星(みせい)のやつは?こういう時、片っぽが引っ込むと変身して出てくるんじゃ」 「海星」というのは、ぜくろが死神として冥界で転生する前の所謂「生前」の姿である。 実は、ぜくろと海星も「相互に人格とその姿を入れ替える」術を持っている。 つまり「相互変身能力(そうごへんしんのうりょく)」を持っていることになるのだが… 俺は、神楽に神妙な面持ちで正直に告げた。 「いや、今回は変身する手前でやつが身を投げたからな。」 「身投げ!?中央線に飛び込んで人身事故でも起こしたのかよ……」 「ばっかいえ!んなもん起こしてたらとっくの昔に死んでるだろ。肉体は残ってる。 本来ならあの時パートナーだったせるなに手伝ってもらう予定だったんだが……」 「研修旅行で暫くいないもんね……」 ぽつり、ととわが呟く。 「研修なら仕方ない、ってことで、とわに頼んだ、ってことか?」 「え、だって僕、せるなお姉ちゃんから待ち合わせするときに電話で聞いたから……」 「まさか、あいつ勘付いていたのか!?」 俺の顔が青白くなる。 「いや、恐らく知らなかっただろう。彼女がとわを選んだのは、恐らく喧嘩の仲介役か何かにしたかったんだろう。」 「なーんだ……で、何で本当の事を今さっき言ったんだ?」 「……言わなければ、と思ったから言った。」 「はぁ?」 インビシブルタクトを握り締めたままのとわは、うつむき加減の表情で何かを考えていた。 「……苦しみから解放してあげることが、使命なんだよね……」
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