プロローグ

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今日も始発で会社へ向かう。 入社した当時は嫌だった。 何で、2時間もかけて通勤しなきゃなんだ? 辞める、明日は辞める。 女やねんし、駅前の大型スーパーでバイトでも良いんちゃう? そう、何度も自分に問いかけていた。 私は藤川美佐(ふじかわみさ) 28歳独身。 設備工事会社で事務では無くて、職人見習いとして働いている。 事務職を希望して、面接したはずが… 何故か現場仕事で良ければと言う条件付きで、採用。 20社目の面接やったから、その条件を受け入れるしかなかった。 最初の1年目は酷かったな。 根暗で自分でも正直、可愛いとは… 口が裂けても言えない容姿だったので 指導してくれる社員さんが嫌がって 次から次へと、私を押し付けあっていた。 もう、辞めてしまおうと思っていた矢先… あの人が私を引き受けてくれたのだった。
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