恒例じゃない行事

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まずは神社の息子のさっちゃんから、空いてる土地をレンタルしてくれないかと相談があった事。 ぶっちゃけ空いてる土地なんて立派な物ではなく以前墓のあったエリアで、少し山を登る場所だし人気もないので、草刈りも後回しになり伸び放題になっていた荒れ地だ。 おまけに使用目的は、えごまや気になった食物を試しに育てるという畑として利用されるのと、荒れ地でも向こうが綺麗に処理するのでこちらも助かる内容だ。 昼間でも少し不気味だと思っていた場所なので、全然問題なく話が進んでいたのだが娘二人……つまり私達は少し返事を躊躇っていた。 話を持ってきたのはさっちゃんだが、結局使用者は花むすびだったからだ。 母の小さな田舎で空いた場所の情報はすぐに分かる話だが、立花家とは仕事以外で関わりを持ちたくないし、妖怪エリアなら尚更だ。 仕事とプライベートは分けたいという単純な理由もあるが、少しでも厄介事となりそうな種は巻かないでおきたい。 でも話を持ち掛けられたのは母で、空き地同然の場所なのに初めは年間契約でお金を渡すと言われたらしく、それは丁重にお断りをした。 結果無料レンタルには納得して貰えず、月に二千円の年間契約と、草刈り時期に居合わせたら助太刀という内容で合意されてしまった。
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