7.誤用が多い日本語③

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◆『穿(うが)った見方』 「君は穿った見方をする人だねぇ」 上司にこんなふうに言われたら、どう反応したら良いでしょう? 恥ずかしながら私、『穿った』は『偏っている、ひねくれている見方や考え』という、否定的な意味でとらえておりました。 まず『穿つ』には『穴をあける』という意味がありまして、そこから『深堀りして、物事の本質を捉える』という肯定の意味があるんですって! ありゃりゃ! (/-\*) 言い方を変えれば『読みが深い』とか『洞察力がある』という感じでしょうか。 ◆『ぞっとしない』 この『ぞっと』を怖くて身の毛がよだつようだ、という意味の『ぞっとする』と捉えると、『ぞっとしない』=「へへ~ん、怖くないよ~ん」って意味か? と思ってしまいますが(私だけ?) この場合は『ぞっとしない』という別の言葉で、『感心しない、面白くない、いい気持ちがしない』という意味を持っています。 ◆『やおら』 『よすだはやおら立ち上がった』というと、『突然』とか『急に』というニュアンスで誤用されるのを見かけますが、『やおら』は『ゆっくりと落ち着いている』様子なので、真逆の意味なのですねー。 ◆『破天荒』 「あいつは破天荒だ」なんていうと、豪快というか、無茶なことしやがる的なイメージですが、本当は『誰もやったことのない偉業を成し遂げる』という意味だそうです。 あら、じゃあ『破天荒』ってなによ? となりますが、これは中国の故事からきている言葉で、唐の時代に荊州(けいしゅう)というところからは、『科挙(かきょ)』という、高等官試験資格制度(国家試験的な?)に合格する人が出ず、ディスる意味で、未開の荒れ地=『天荒』と呼ばれていました。 しかし、リュウゼイさんという人が初めて合格し、荊州の人々から『よっ、破天荒!(天荒を破った!)✨イェーイヽ(´▽`)ノ』と賞賛されたことからきているそうです。 ◆『耳ざわりの良い』 『耳ざわり』は漢字で書くと『耳障り』で、『耳に障る』からきています。『耳触り』ではないんですね。『聞いていて不快である』『耳の働きを妨げる悪い言葉』として使われていますから、『聞いていて心地よい』という意味で『耳ざわりが良い』という言葉は間違いということになります。『触る』と『障る』が同音のために間違えやすいのでしょうか。 あっ、これを打っていたら早速Wordさんからの校閲が入りました(笑) その結果『ひびきが良い』がいいみたいですよ✨
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