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◆『唖然』『呆然』『茫然』『愕然』
・『唖然』=自分の予想や想像を超える出来事に直面したり、常識はずれの言動を見聞きしたりした時に使われます。『唖』という字には、驚きのあまり開いた口が塞がらない様子、という意味があるそうです。ビックリしすぎて何も言えない状態ですね。また、唖然は良いこと、悪いことの両方に使えます。
例)良い:紹介された男性があまりにもステキで唖然としてしまった。
悪い:よすだがあまりにもバカなので皆が唖然とした。
・『呆然』=これも『呆』の字が持つ意味を覚えておくと良さそうです。
『呆』には、呆れる、じっとしているという意味があり、驚きのあまり、ぼんやりとして動けずにいる様子、という意味もあります。唖然が「何も言えない状態」とするならば、呆然は「何も言えない+何もできない状態」でしょうか。
また、これは悪いことに使われることがほとんどだと思います。唖然よりはショックの度合いも深く、フリーズする時間も長そうです。
例)財布を落としたことに気付いて呆然とした。
・『茫然』
辞書に載っている意味としては『呆然』と同じですが、そこからさらにショックが進んで(?)、「自分を見失うほどの」というようなニュアンスが加味される感じがいたします。というのも、『茫』の字は、漠然としたさま、ハッキリとしない、曖昧で掴みどころがないさま、という意味があるからです。『茫然自失』でこの字を使いますね。「何も言えない+何もできない+魂抜けかかってる💦」的な感じでしょうか。ショックの度合いもいよいよな感じです(笑)
ただ、『茫然とした文章』など、あくまで「はっきりしない」という意味で使われる場合もあるようでございます。
例)特殊詐欺に引っかかり、預金をすべて奪われて茫然となった。
・『愕然』
『驚愕』などに使われるように、『愕』には『非常に驚く』という意味があります。おったまげーw ですかね。
愕然の場合は『何も言えない』とか『何もできない』という状態は関係ないようで、『信じられないくらい、とにかくビックリした』という『心理状態』を表す言葉のようです。ですからこちらも良い場合、悪い場合の両方に使えるんですね。なんとなく良くない方で使われていることの方が多いですけれども。
例)良い:宝くじで一等が当たり、家族みんなが愕然となった。
悪い:大好きなアイドルが事故に遭ったと聞き、愕然とした。
余談ですが、愕然はもともと「びっくりする」という中国語がそのまま日本語になった言葉です。
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