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笹沼の答えを聞いた早妃は驚き、驚いた自分を瞬時に恥じた。見た目だけで判断しては、ウェディングプランナーとして失格だ。人にはそれぞれ事情がある。四十代の花嫁に驚いているようではこの仕事はできない。
「ご家族がクレームでいらっしゃったんじゃないのね。それなら何が問題なの?」
花嫁が平均より高齢だからといって、早妃を呼び出すような笹沼ではない。よほどのことがあったはずなのだ。
「実は、一人で結婚式を挙げたいとおっしゃっているんです」
「え、一人で?」
思わず大きな声を出してしまい、早妃は口を手で覆った。
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