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その二人を守る様にゼオンの背中が眼前に出た。
ほんの一瞬で、2人の前に躍り出ると風の魔法を使う。
背中の二人を守る様に突風が、巻き上がる粉塵と瓦礫を相殺する。
風の魔法と、崩壊の粉塵のぶつかり合いだ。
ワタルの目の前をゼオンの黒いローブが、バタバタと舞い上がった。
粉塵が途切れ、風の魔法が勝った。
「ふぅ」とゼオンは息を吐いた。
「ユウリィ。じっとしてろって言ったろ!」
そう言って乱暴にユウリィの腕を、引き寄せた。
彼女はされるままになっている。
そんな余力も無いのかもしれない。
ワタルは2人を止めに入った。
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