フィールド2.人間の街⑵

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 「いくら魔法石で増幅(ぞうふく)しても、それだけ負荷(ふか)がかかり本人に返る。 ・・許容範囲(きょようはんい)を超えるってことは、それだけ死に近づくんだ。」 ゼオンはワタルの問いを、先回りして答えた。 許容範囲を超える・・?死に近づく・・・?  それだけ本人の体力も精神力も、(けず)るってことなんだろうか? だから彼女は立てない(ほど)、疲れ切っているのだろうか? 「だって・・使わなきゃ危なかったの。塔から落ちそうになって・・」 「落ちる原因を作ったのは、誰だ?」とゼオン。 「私。」とユウリィは悪びれる様子もない。 「だって・・私。心配だったの…ゼオンが早く来てくれないから」 一変(いっぺん)して彼女は不安な声を出した。 ゼオンを見つめる彼女の眼は、すがるように彼を見ている。 彼は無動作に彼女を、抱きあげた。お姫様抱っこだ。  崩れたパレスの瓦礫(がれき)の山の向こうに人垣が出来て、 粉塵と瓦礫を足元に超える様に、人々が動き出している。
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