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瓦礫を超えた数人が、生き残りの血だらけの獣人族を足蹴
にして、大きく指さした。
「女神だ!白の女神が居るぞ」
声を出したのは獣人族ではない。
魔法使いを追っていた銀色の騎士団でもなかった。
それは普通の街並みに暮らす一般の人々。
そうだ・・ワタルと同じ様な、タダの人間。
「女神だ!女神を殺せ」
瓦礫を飛び越え、人々が飛び出た。
声があちこちから上がった。
街角の家々が通りの窓をそれぞれに開け、罵声を浴びせた。
窓辺の植木鉢や洗濯物・・そこらにある物なら何でも構わないと
いうように、いろんな物が空から降って来た。
「もっと、しがみつけ」とゼオンが耳打ちする。
その直後。
大きなソファやテーブルが飛んだ。
ゼオンが振り返る、その瞬間。それらが砕けた。
魔法で(衝撃波だろう)それを壊し、躱した。
足が走り出す。
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