フィールド2.人間の街⑵

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 瓦礫を超えた数人が、生き残りの血だらけの獣人族を足蹴(あしげ) にして、大きく指さした。 「女神だ!白の女神が居るぞ」 声を出したのは獣人族ではない。 魔法使いを追っていた銀色の騎士団でもなかった。 それは普通の街並みに暮らす一般の人々。 そうだ・・ワタルと同じ様な、タダの人間。 「女神だ!女神を殺せ」 瓦礫を飛び越え、人々が飛び出た。 声があちこちから上がった。 街角の家々が通りの窓をそれぞれに開け、罵声(ばせい)を浴びせた。 窓辺の植木鉢や洗濯物・・そこらにある物なら何でも構わないと いうように、いろんな物が空から降って来た。 「もっと、しがみつけ」とゼオンが耳打ちする。 その直後。 大きなソファやテーブルが飛んだ。 ゼオンが振り返る、その瞬間。それらが砕けた。 魔法で(衝撃波だろう)それを壊し、(かわ)した。 足が走り出す。
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