私の家族

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いつものように朝が来て いつものように起きて 学校へ行く準備をする。 「雨里ー?起きたのー? 朝ごはん出来たから早く降りてきなさい」 母の大声でいつもの朝は始まる。 変わりばえのない日常。 私は制服に着替え 最初に洗面所に向かう。 鏡を見つめ 髪をくしでとかし、顔を洗う。 朝から暑い。 外からはセミの鳴き声が うるさい程聞こえてくる。 「おはよー」 ダイニングに行くと 全員勢揃いでご飯を食べている。 「雨里おはよー。 相変わらず朝から暑いな」 父は額から溢れ出る汗を拭い取り 不機嫌そうに挨拶を交わす。 普通体型よりも太めの父は 家族の誰よりも太っていて汗っかきだ。 最近は加齢臭も気になる年頃。 「雨里は本当ブサイクだよなー。 父さんに似ちゃって可哀想にな」 兄は私を見るなり ケラケラと笑っている。 いつも私を侮辱する兄だけど 兄も父に似てブサイクだ。 それを本人は認めていない。 自分ではイケメンだと思っている。 私が何度かブサイクだと言う事を 伝えても受け入れない。 そしてすぐ怒って私を殴ってくるから もう言うのはやめた。 働きもせずずっと家で引きこもっている。 たまにコンビニに出かけては エロ本を買ってくる。 こんな兄は本当に嫌い。 「さっさとご飯食べちゃいなさい。 学校に遅れるわよ?」 私の席の前に朝ごはんの用意を 早々と用意すると 母は自分の席に座りご飯を食べ始めた。 母は私にあまり関心がない。 むしろ長男である兄の事を可愛がっている。 毎日パートで稼いだお金を 兄に渡しているのを知っている。 私にお小遣いをくれた事など 一度もない。 母は兄の為なら何でも言う事を聞く。 私には冷たく当たる。 こんな家族…私は要らない。 これが普通の家族なの? 早く高校を卒業して、この家を 出て行きたい。
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