私の家族

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でも…そこまでやってしまえば 本当にやばい。 それだけはちゃんと分かっている。 「みんな…やめようよ? 冗談だよね?もし本当にやったら 犯罪者になるんだよ?いいの?」 普段から私の話は無視される。 それでも黙っていられなかった。 「何言ってるんだよ? 犯罪者?やりたい事やったら 犯罪になるのかよ? 自由の権限も無いのかよ? お前は馬鹿なんだから 訳のわからん事言うなよな」 犯罪の意味も分からぬ兄に言われ いつもの私なら引き下がるけど 今回だけは歯向かった。 「お兄ちゃんて本当に馬鹿だね。 人様の子供に手を出したら もうそれは犯罪なんだよ? 勿論、家族だって暴力振るったり 虐待したら捕まるじゃん。 テレビで観たことあるでしょ? それと同じような事を しようとしてるんだよ?分かる?」 少しムキになって声を荒げてしまった。 滅多に発言したりしない私に 皆んな黙り込んでいるようだ。 私は犯罪者になりたくない。 普通の高校生でいたい。 やっぱり駄目な事をしたら駄目だって 私はちゃんと分かってる。 きっとみんなも…分かってくれたよね… 「食事が途中になったな… 雨里も早く食べちゃえよ? あ、それと今日は学校休めよ。 皆んなでその家族の所に挨拶行くぞ! 早くしないと子供達が 学校に行っちゃうだろ? 顔が見れなくなってしまうのは 困るからなー…」 まるで私の話は無かったかのように 父はそう話すと 残っている残飯を片っ端から 食べ始めた。 「そういえば、向こうがこっちに 引越して来たんなら 普通はあっちが俺たちに挨拶に 来るのが普通じゃね? 母さん料理上手いし そのまま夕食に招待してさー 薬でも盛っちゃえば? んで、可愛くなかったらそのまま 帰せば良くない?」 「確かにそうね… 挨拶に来ないにしろ こっちから行って食事に招待するわ! きっと挨拶がてらに来てくれるはずよ!」 兄と母の意見に 父はコクリと頷き私を見た。 「今日の夜…やるぞ? 雨里もちゃんと手伝えよ? うーん…楽しみだなぁ…」 この時初めて この家族の異常さに気付いた。 性目的だけではなく、 もっと恐ろしい事をする気ね… 私1人で反対したところで この状況は変わらない。
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