僕は人間に。

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僕は人間に。

___あ。僕は、殺された。はず。でもなんで感覚が。なにか、暖かいものに包まれてる。なんだろう。まず目を、開けなきゃなにも。わからない。 ゆっくりと瞼を上げる。すると眩しい光が瞳に差し込む。太陽が僕を包んでいるよう。そしてそこは草原。無言でぐるりと辺りを見渡すと少し遠くに街があるみたいだ。目で見えるほどの距離。 「ん。ここは、草原?あっちには、街。近寄れば冒険者が、いっぱい。行けない。行きたく、ない。」 自分の手を見る。それは太陽の光で照らされている、人間の手。 「え?なん、で?人間の手。」 僕は。驚いた。だってそこには、僕を殺した人間の手が。あったから。 自分の服装を見てみた。すると、如何にも冒険者ですと主張しているような革の服。右腰には、魔法が掛かっているカバン。左腰には近 中距離攻撃用の、魔物狩りのナイフ。 「僕は、人間?僕の、顔見ないと。僕の__」 バッと立ち上がり、街に向かって走り出す。草が柔らかく足への負担を和らぎ、風と踊るように揺れる草。そしてハァハァと息を切らす僕。でも、そんなのはヘッチャラ。早く、早く早く街に行かないと。と思っていた。でも、【街は怖い】
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