冒険者登録。

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冒険者登録。

「うっし、ここがギルド。中にゃ入れば冒険者登録も出来るし、相応のグループにも入れる所だ。」 「ほへぇ。ありがとう、ございます。では。」 「嗚呼。後、少年よ。わりぃグループには入ったら駄目だぞぉ?じゃぁなぁ…」 「はい。」 僕はそのおじさんの背中を見えなくなるまで見る。あぁ、人間には、優しい人もいるのだな。でも、最初はやっぱり、ゴブリンを……。まあ、僕も冒険者になれば倒さないといけないのだろうか…。 そのような事を思いながらも、ギルドへ足を踏み入れる。中は酒場もあり、賑やかである。受付の人は、眼鏡を掛けていて、スラッとしている。周りは賑やかなのに、あの人だけ笑わない…。 「あの、冒険者に…なりたくて。」 「冒険者登録ですね。ならば登録に必要なものをこの書類に書いてください。」 少し冷たそう。怖い。受付の人がペンを差し出してくる。僕は、恐る恐る受け取り、書類に目を付ける。僕は、ゴブリンだけど、この人達の、いや、人間の言語を読めるのか不安、だったけど。読めるらしい。名前…、僕の名前はない。ただのゴブリン……。考えなきゃ。_ファリアス_なんてどうだろう。特に意味はない。下の名前は、聞かれたら考えよう……。 「えぇっと…ファリアス…で、男の……16歳……、」 「終わりましたでしょうか?」 「は、はい。」 コトリ、とペンを置く。受付の人が書類を手に取り、何か物の中に入れる。すると下からカードが出てくる。 「…出来ました。これが貴方の身分証明証となります。」 「あ、ありがとう、ございます…??」 僕は、そのカードを渡される。少しそのカードを見てから、横のバックにしまう。 「次に魔力や攻撃力、スキルを確認致しましょう。そこのガラス玉に手をかざして下さい。」 「わ、分かり、ました。このガラス玉に魔力を感じますね…。【ステータス解析魔法】のようなものが掛かってるのでしょうか?」 「よくお分かりで。」 冷たく、そう返された。 僕は、ガラス玉に手をかざす。すると、光が順々に、赤色 青色 茶色 紫色 黄色 と光上がる。その内の茶色が強く光っていた。 「まあ、極少ない土属性を得意としているのですね。他も悪くないお色でした。訓練を積み重ねればいずれ強くなれるでしょう。」 「あ、は…はい。ありがとう…ございます……?」 「そして、〈属性一覧〉は今の自分の使いこなせれるパーセンテージが出ます。脳内で唱えれば見れます。」 「は、はぁ……、やってみます。」 〈属性一覧〉 ____________________ 火属性:58%/100% 水属性:62%/100% 土属性:70%/100% 闇属性:49%/100% 光属性:59%/100% ____________________ 「わ、出た…!?」 脳内に浮かび上がるように出てくる。相手には見えないのかは、心配だけど、これは、これで良い結果…なのでは? 「では、ここだと次のお客にご迷惑がかかるので、そろそろ…。」 「え、あ、はいっ、すみ、ませんでした…。」 そそくさに逃げる。意外と、客。来てたことに…驚きを感じる。次はクエストを見に…行かないと…。 足を動かす。1歩、1歩、と外に出る。クエストを受けるところはギルドと別。まあ、良い。行かないと。
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