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「ねぇねぇ、彼氏が来るまででいいから俺たちとおしゃべりしようよ?」
「お姉さんって何の仕事してるの?」
どうやら戦略を質問責めに切り替えたらしい二人組。
カナタは彼氏云々と誤解している彼らに曖昧に笑ってみせる。
「靴のお仕事」
「靴って、あー、お姉さんの履いている靴かっこいいもんなぁ」
「うんうん、確かにその靴って……」
男の子の一人がそこで言葉を止めた。
何故ならカナタの左足には。
大きな火傷の痕が生々しくも凄惨に刻まれていたからだ。
カナタは気にした風もない。そういう反応には良くも悪くも慣れていた。
「あははっ、すごい火傷でしょ?」
「えっと、そうっすね」
「痛くないんすか?」
変な敬語を使う二人組にカナタはやはり笑みを浮かべる。
「うん、痛くないよ。でもごめんね。気味が悪いでしょ?」
「えっ!?」
「あ-、いや、俺はタトゥーみたいでかっこいいと思うけど」
二人組が思い思いの反応を示して、興味深そうにカナタの左足に刻まれた火傷の痕を観察している。
すると。
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