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「……なぁ」
一人の青年が。
「あんたら、何やってんの?」
若者二人組にぶっきらぼうに声を掛けてきた。青年は那須塩原市にある学校、黒拓峰高校の制服に身を包んでいた。高校生の割には身長がかなり高く、吊り上がった眉毛と少し眠たげに垂れた目が特徴的な青年だった。
カナタはその青年のことを良く知っている。
「レイジくん」
「カナタさん。この二人組は何?」
機嫌悪そうに尋ねるレイジ。
若者二人がカナタの代わりに答えた。
「お前こそ、誰?」
「つーか、高校生? その学ランって黒拓峰の奴じゃん」
楽しい会話を邪魔されたと言わんばかりに喧嘩腰で話す二人組。
レイジは口元を吊り上げて好戦的に笑った。
「俺はカナタさんの彼氏だよ」
レイジが自慢げな口調で言い切ると、カナタの方を振り返る若者二人組。
「えっ、マジっすか、お姉さん」
「さすがに高校生に手を出すのは……」
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