2人のレイジと昔語り

3/10
前へ
/73ページ
次へ
「……なぁ」  一人の青年が。 「あんたら、何やってんの?」  若者二人組にぶっきらぼうに声を掛けてきた。青年は那須塩原市にある学校、黒拓峰高校の制服に身を包んでいた。高校生の割には身長がかなり高く、吊り上がった眉毛と少し眠たげに垂れた目が特徴的な青年だった。  カナタはその青年のことを良く知っている。 「レイジくん」 「カナタさん。この二人組は何?」  機嫌悪そうに尋ねるレイジ。  若者二人がカナタの代わりに答えた。 「お前こそ、誰?」 「つーか、高校生? その学ランって黒拓峰の奴じゃん」  楽しい会話を邪魔されたと言わんばかりに喧嘩腰で話す二人組。  レイジは口元を吊り上げて好戦的に笑った。 「俺はカナタさんの彼氏だよ」  レイジが自慢げな口調で言い切ると、カナタの方を振り返る若者二人組。 「えっ、マジっすか、お姉さん」 「さすがに高校生に手を出すのは……」
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加