4章 いつか来た道

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4章 いつか来た道

 僕と美咲ちゃんは、道の駅のカフェを出ると、すぐ前の駐車スペースに停めていた僕のRV車に乗り、板室街道を下って、歩け歩けコースをたどった。 青木別邸から車なら5~6分で、夜中に夜食のうどん・そばを食べた中学校に着く。 毎年、保護者の方が夜食をふるまってくれるのだが、あの頃は何とも思わなかったけれど、考えてみれば、700人以上の男子高生に夜食を提供するには、事前の準備や調理が大変だっただろう。 夜中、僕らはもう眠くて疲れてクタクタだったから、つまずいて汁をこぼす 奴もいたし、僕らが去った後の後片付けも、大変だったんじゃないかな。 そんなことを考えながらスピードを緩め、 「ここが夜食のうどんを食べた中学校だよ。」 と美咲ちゃんに教えると、 「木が多くて、いい雰囲気の学校だね。」 と綺麗な笑顔で答えてくれた。  さっきは本当にビックリした。 まさか美咲ちゃんと、道の駅のカフェで会うなんて。 美咲ちゃんは、すっかり都会の雰囲気の綺麗で落ち着いた女性になっていた。 もし、東京でバッタリ会っていたなら、さっきみたいに 「一緒に座らない?」 なんて言えなかったかもしれない。 ホームタウンで会えて良かった。
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