4章 いつか来た道

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 大山参道横の駐車場に車を停め、美咲ちゃんと連れ立って、墓地に続く大山参道を歩く。 両側には楓が植わっていて、今の季節は新緑が美しい。 「ステキ、きれいな緑ね。」 美咲ちゃんは、楓の木を見上げて何度も言う。 「本当にきれいね。 紅葉もきれいだけれど、新緑もいいね。 この奥に大山夫妻のお墓があるのね。」 参道を奥まで歩くと、突き当りにいかめしい扉があった。 扉の向こうに大山夫妻のお墓があるらしい。 美咲ちゃんは、そっと両手を合わせて目をつぶったので、僕も同じように手を合わせた。  それから、美咲ちゃんと並んで歩いて参道を戻ると、やっぱり今日もいた。 「美咲ちゃん、向こうに高校生のカップルがいるでしょ。 あの制服は、この近くの共学の高校の制服で、僕らの時代にもカップルが歩いていたんだ。 僕らは宿題の課題に追われて、でかい鞄持った冴えない高校生だったから、 この辺りをカップルで歩く共学の奴らを見かけると悔しくて、クソッ、クソッと言いながら自転車こいでたな。」 「裕也君はホント愉快な高校生だったんだね。」 「愉快? 哀れな高校生だったよ。 だけど、今日は美咲ちゃんと大山参道を歩けたから、高校時代のリベンジが出来た。 わーい!リベンジだ。 美咲ちゃん、ありがとう。」  
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