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レストランを出ると、日はすっかり暮れていた。
「うわぁ、いっぱい星が見える。
やっぱり空気が澄んでいるんだね。
東京ではこんなに見えないもの。」
美咲ちゃんが空を見上げて、歓声をあげる。
「今日はいろいろありがとう。
夕食もご馳走様。
前菜からデザートまで、とても美味しかった。」
「それなら良かった。
これからホテルの前まで送るよ。」
美咲ちゃんはずっと星空を見ていたそうだったが、僕にうながされて車に乗った。
夜道はヘッドライトに照らされたところ以外、当たり前のように暗い。
だから、星が良く見えるんだけれど。
20分程でホテルの駐車場に着いた。
「それじゃぁ、明日の朝8時半くらいにここに迎えに来るから。」
「わかった、ありがとう。
念のため、裕也君の携帯の番号教えて。
LINEのIDも。」
「そういや、まだ交換してなかったね。」
僕らは互いにスタンプを送り合い、送られたスタンプを見て、また少し笑った。
「おやすみ、また明日。」
美咲ちゃんは車から降り、ホテルの建物に向かって歩き出す。
僕は、美咲ちゃんがホテルの扉の中に入るのを確認してから車を発車した。
「おやすみ、また明日。」
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