時をかける少年

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「うわぁ、わぁん、うあー、どうしよう。 どうしよう。どうしたら良いんだ。わーん。」 最初からずっと文句を言っていた社長さんが涙を流してワンワン泣き出した。他の人達もみんな涙ぐんでいる。 「一度吐いてしまった不埒な言葉は、もう飲み込む事は出来無いんだよ。」 男の子は静かに言った。 富士子は驚いて男の子をジッと見つめた。おじさん達は、 「まぁまぁ。」 なんて言って慰めてるし富士子だったら、きっと、 「大丈夫ですよ。」 なんて言ってしまうだろう。きっとそうだ。 「どうしよう。もしかしたら俺は言ってはいけない事を口にしてしまったんじゃ無いのか?あーん。 どうしたら良いんだー。」 (さっきまで文句を言い続けて、挙げ句の果てには大泣きかよ。酒癖悪いおじさん嫌い。私の父親だけで充分なのに。酒を飲んでは絡んで来る最低最悪な父親。嫌い。) 富士子は心の中で悪態をつく。
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