時をかける少年

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「こないだママとテレビで見たんだけど親に虐待されたりご飯を貰えなかった子供達が保護されてる施設があるんだって。せっかく施設に入って小学校へ入学する時にランドセルを買うお金がないんだって。 僕みたいに生まれた時から病気で死にものぐるいで治療してる子供達も病院にたくさんいた。 本当に困ってる子供にランドセルや食べ物を直接渡すのがいいと思う。凄く感謝されるて幸せになれると思う。お金持ちはお金をそんな風に使うべきよねってママと話したんだよね。 僕はそう思うの。」 「俺は今、誰からも教えてもらった事がない人生で一番大切な事を教えてもらった気がするよ。」 「すみませんでした。せっかくのパーティーでこんな馬鹿なおじさん達のテーブルでつまらなかったでしょ「そうだね。決して口にしてはいけない事を口にしてしまったね。」 男の子は今までと変わらない表情でその言葉をサラッと言った。 「どうしたら、どうしたら許してくれますか? 俺は、どうしたら良いですか?」 泣きながら大きな声で男の子に問う。誰も言葉を発しない。 「許すも許さ無いも、僕は怒って無いし、何とも思いませんよ。でも、もしあなたの心の鬼が許さないならば、そうねぇ、僕ならどうするか。 寄付をすればいいんじゃない?」 男の子が小さな子供の可愛い声で言った。 男の子の隣の人が、 「これは神の言葉かもしれないぞ。明日一緒に赤十字に寄付しに行こう。俺も一緒に行くから。な?」 「うん、うん、赤十字、寄付しに行く。うん。うん。 行く。それで良いですかね?」 男の子を真っ直ぐに見つめて言った。 「うーん、そうねぇ赤十字、ちゃんとしたところだから良いかもね。 でも僕の考えを言ってもいい?」 「どうぞ、聞かせて下さい。」 「ううん、楽しかったです。それにおじさん達は僕の話を聞いてくれて僕を一人の人間として扱ってくれた。そんな大人は少ないから。」 「君の言う事を聞かない大人がいるの?」 「いますよ、僕のおじいちゃんとかおばあちゃんとか。」
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