時をかける少年

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急にケバケバしい照明に変わったかと思うと大音量で音楽が流れて、 「子供は集まってください。サンタさんからお菓子と風船のプレゼントがありますよー。」 と、司会者がアナウンスする。きゃーワーと歓声が上がりステージの周りは子供達でごった返す。しばらくすると風船の剣を持った5.6歳の男の子達がテーブルの横で戦って騒いでいる。女の子達もワンちゃんやウサギさんの風船をもらって上に放ったりして遊んでいる。男の子の隣の社長さんが声をかけた。 「君はもらいに行かないでいいの?サンタさんが来てるよ。」 「あんなのサンタさんの偽物ですよ。あんなバレバレの変装じゃねえ。本物のサンタさんから手紙を貰ったけど、あんな感じじゃなかったよ。それに本物のサンタさんは今頃、世界中の子供達にプレゼントを持って行く準備で大忙しだから、こんなところに来てる暇なんて無いでしょ。僕、人混みは行ったらいけないし。」 「でもほら、君より年上の子供達が遊んでるよ。」 社長さんが言った時、パーンと大きな音がしてどこかで風船が割れた音がした。
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