時をかける少年

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「ほら遊んだら割れちゃうでしょ。最後に貰ってお家でゆっくり遊びます。それにママから教えて貰ったけどパーティーはご飯を食べたり騒ぐところでは無くて、お話を楽しむ場所なんですよって。ママはママのおばあちゃんから教えて貰ったんですよ。」 「ほう、お育ちが良い。君はどこのお坊ちゃんかね。」 「お坊ちゃんじゃないけど、僕のパパはお医者さんです。」 「おおー、やっぱり賢さが違う。明らかに違うな。こんなに違うんだな。こんなに賢い子供に初めて会ったぞ。」 「うん、大したもんだ。」 そこにいるおじさん達が感心していると文句ばかり言ってる社長さんが帰って来た。 「うどん美味そうだな。イテテ座るのが大変で、俺来週手術するのよ痔の手術。ガハハ。」 「止めろよ食事中だぞ。ねぇ、しょうがない大人の見本を見せるなよ。ごめんね僕。」 「僕は大丈夫ですよ。僕も心臓の手術を4回したから気持ちはわかります。手術は嫌です。ほら。」 そう言って男の子は襟元を下にグーっと引っ張った。喉の下から胸の真ん中を下にずっと傷跡があった。 「なんかごめんね。痔の手術くらいで大騒ぎをして。」 「ううん、そんな事思ってませんよ。心臓の手術が痔の手術より大変とか、そんな事は無いです。誰だって自分の手術は嫌ですよね。僕も又今度手術があるから嫌だと思ってるから。ごめんなさい、なんかしんみりしちゃって。」
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