時をかける少年

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「僕はお土産のケーキ凄く嬉しかった。ずっと手術だったからパパが一人でパーティーに行ってお土産のケーキを持って来てくれた。もっと美味しいケーキはいくらでもあるよ。おじさん達はみんなお金持ちの社長さんなんだから高いケーキを好きなだけ買って食べたらいいでしょ。いつもそうしてるんでしょ。でもパーティーに来たくても来れない家族がいるかもしれない。年寄りとか身体の不自由な人とか僕みたいな生まれた時から病気の子供とか。そんな人が見当たらないのよね。さっきから探してるんだけど。 とにかく僕はパパがお土産のケーキを持って来てくれて嬉しかった。夜みんなで食べたら美味しかったよ。ただそれだけ。」 「ケーキは続けましょう。」 「うん、ケーキは必要だな。これは決まりで。」 男の子はここにいる大人達を全員納得させた。富士子は隣に座ってる男の子を感嘆の目で見つめる。 (自分の思ってる事や自分の考えを話して良いんだ。私はいつも両親から殴られたり怒鳴られた。言葉を発するものなら蹴られた。自分の考えや思いを尊重された事は無い。家では一度も無い。一度も無いんだ。)
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