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「昨夜、11時頃、桂川マンションの7回の部屋から性別身元不明の死体が発見されました。部屋は荒らされている形跡もなく凶器と見られるものもありませんでした。警察は6月7日に行方不明となった男子高校生の事件と関与があるとみなし捜査にとりくんでいるとのことです。」
「第1発見者はこの部屋に住む50代の女性で事件発生前まで刈谷市松葉高校に通っている女子高校生17歳、松井羽菜さんと住んでおり事件発生と同時に彼女と彼女のものの少しが無くなっていたということです。この事で警察は男子高校生の誘拐の連続誘拐事件として操作を進めています。」
ぷち。
真っ暗な部屋で少量でなっていたニュースを消す。事件から数日しか経っていないのにもうここまでニュースになるなんて思いもよらなかった。今と昔では全然違う。こんなに警察もすごくなったんだ。
私の後ろには3つのキャリーバックが並んで置いてある。
その下にはぽたぽたと血が垂れるもの。血が乾ききってこびりついてるもの。これだけは手元に置いておきたかった。だって私の愛してる人達が中にいるからね。
夜に来たあの人。
たしか、高田流星。あいつは詰めが甘い。
ストーカーに下手なストーカーをするなんてなめている。バレるに決まっているでしょ。特に人の家のベランダに入る時の音が大きすぎるし、写真を撮る時にシャッター音がたくさんなっていた。私ならそんな凡ミスは絶対にしない。私だって小学生から始めて今に至るんだから簡単に言えばベテランストーカーなのに。
バカバカしい。きっと葛城晴人の友達だろう。サッカー部で見かけたこともある顔だし、小耳に挟んだこともある。
私を敵に回して警察に引き渡そうとしたのが悪い。
私は捕まったりなんかしない。
小学生の頃母親と父親を殺してから殺さない、ストーカーをしないように我慢をした。
しかし、好きな人ができればそれは止められなかった。
中学生の時は一所懸命に我慢した。
ストーカーをして人を殺してまた捕まりそうになったら大変だし、年齢が年齢だから少年院に入れられてしまう。
だから、私は真剣に考えた。
結果捕まらなければ殺してもストーカーをしてもバレないと。それに私が親や彼を殺す理由は愛してるから。好きだから。誰にも触れてほしくないし目に入れて欲しくもない。
私が好きな人は私のものだけになればいいんだ。
そうするためには殺しでもなんでもできる。
だって愛してるんだから。
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