温もり

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ゆかちゃんが僕の家に来るのは、今日が初めてだ。 「うわぁ、かわいい!!」 そう言って、ネコちゃんを見たゆかちゃんは大喜びしてた。 「良いなぁ~ かわいいなぁ~。」 ゆかちゃんの空色のマフラーの上で、ゆかちゃんに小さな声でミャーって言うネコちゃん。 「この子にあげたんだったら許してあげる。」 そう言って、ゆかちゃんは僕に笑いかけてくれた。 「名前は決まったの?」 「ううん。この子に合う名前が思い浮かばないんだ。」 「そうねぇ・・」 ゆかちゃんはちょっと考えてから、 「じゃあ、かりんてどうかな。」 「かりん?」 「そう、空色のマフラーにくるまっている姿がね、かりんの実に見えない?」 そう言われてみると、黄色と茶色のしましま模様が、冷たい空気の中でもしっかりと実を結んでいるかりんに見えてくる。 「そうだね! かりん、良い名前だね! ゆかちゃん、ありがとう!」 そう言ったあと、ゆかちゃんはちょっと照れくさそうだった。
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