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あれから十年以上の時間が流れた。
かりんは今でもあのときと同じように、かわいい。
今ごろは、家で温かくして、ウトウトと目を瞑ろうとしているだろう。
いろいろあったけど、やっと乗り越えてこの日を迎えた。
今日は新しい家族とのセレモニーの日だ。
ゆかちゃんの左手を、僕の左手で支えて、その細い指に指輪を嵌める。
ステンドグラスから漏れ落ちる柔らかい光が、指輪の宝石を空色に輝かせる。
あの時のマフラーと同じ色。
かりんとあの時に出会っていなかったら、こんな幸せな日は訪れていなかった。
僕と同じ時間を過ごす事を決めてくれて、ありがとう。
これからも、たくさん幸せになろうね。
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