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異常な愛~兄妹~オマケ
〈オマケ〉
車で連れ帰られた実花のその後――
実花が目を覚ますと、薄明かりに照らされたそこは見知らぬ部屋で、一気に意識がはっきりとした実花はがばりと身体を起こした。
ここがどこなのか、自分は何故ここに居るのかを考えていて、ふと、自分が何も身に着けていないことに気付き、自らに掛けられていた布団を身に纏った。
そんな混乱の最中にある実花の耳に飛び込んできたのはドアが開く音で、実花は軽く身構えた。
音のした方へ顔を向けた実花の目に飛び込んで来たのは、下半身にタオルを巻いた嵐の姿だった。
「お、兄ちゃん…」
「目が覚めたか、実花」
「ここって…」
「俺の借りてる部屋だ。お前が眠ってたから連れて来たんだよ」
「…どうして…、家に帰らなかったの…?」
「家に帰れば、父さんも母さんも居るしゆっくり楽しめないだろ?」
「‘楽しめない’って…?」
「大丈夫。母さんには、お前が俺の部屋見たがってるから連れてって、今日は泊まらせるって伝えてあるから」
「なっ!?私、そんなこと言って無い!家に帰らせて!!」
「…ま、お前が望むなら帰っても良いぞ?」
「え?」
「お前は今日、俺のものになると約束した。証拠もある」
「証拠って…」
スタスタスタ
「全てこれに録音したからな」
カチャ
実花の側へとやって来た嵐は、テーブルの上に置かれていたボールペンを手に取ると、親指を出っ張りに引っ掛けて押し下げた。
ボールペンからは突然人の声が聞こえ始め、内容は実花と嵐の車中でのやり取りだった。
ある程度流し終えると、嵐は再びボールペンをテーブルの上に置き、これからどうしたいかを実花に訊ねた。
「これで分かったろ?お前は自分で俺のものになると約束した。そして俺は、早くお前を抱きたくて仕方ない。準備は整えたが、お前が家へ帰りたいと言うならそれでもいい、俺達がなにをしてても父さんも母さんも気にしないだろうしな」
「………」
「どっちがいい?俺に抱かれるのは」
耳元で囁く嵐に実花は口をつぐんでいたが、考えた結果、小さな声で「…ここ…」と告げた。
実花の返答に口角を上げた嵐は、ジッと視線を絡め、見つめながら唇を重ねていった。
噛みつくように…。
何度めかの深い深い口づけをされながら、実花は航のことを考えていた。
そして、嵐にされていることは全て航にされているのだと思うことにし、身体を全て委ねた実花。
舌を絡められ、胸を揉まれ、実花の身体は徐々に熱をおび始めていた。
クチュ
「んぅっ…はっ、あっ…」
チュッ
「実花…、心も全て俺のものに…」
「やぁっ、んん…」
身を委ねられていることに気付き、片手を実花の下半身へと滑り込ませた嵐は、指先に湿り気を感じると唇を外した。
それから小さく呟くと今度は首筋に顔を埋め、そっと舌を這わせた。
くすぐったさに身を捩る実花には構わず、ときどきキスを落としながら胸を通り、徐々に徐々に下半身の方へと降りていく嵐。
流石に太ももの辺りまで来ると、羞恥心からか焦ったように声を上げた実花。
しかしその時、間違えて「お兄ちゃん」ではなく「航君」と口にしてしまい、実花が気付いた時には時すでに遅し。
全てのことに気付いた嵐は、実花の下半身を強く責め立て始めたのだ。
「やっ、恥ずかしいよ…、航君…あ!」
ピタッ
「航…?」
「ち、違うの、お兄ちゃん…はぁぁぁぁっ!?」
チュウ
「そうか、お前はまだあの男を…。二度と思い出せないようにしてやる」
クチュグチュ
「止めて!!あぅっ…お兄ちゃん!!」
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