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実花は恥ずかしさから唇を噛み締め、目をギュッと閉じ、この行為が早く終わることを祈った。
「…やっと、実花は俺のものだ。始めから、こうしていれば良かったのかもな…」
スッ
ピトッ
ピクッ
「ふっ。お前はもう、俺以外を受け入れるなよ?」
「…お兄ちゃん、この格好…恥ずかしい…」
「そうか…。なら、恥ずかしさなんて忘れさせてやるよ」
チュッ
「え、や…、いやぁぁぁぁぁっっ!!」
恥ずかしがる実花の大事な部分へと顔を近付けた嵐は、そっとその部分へ口づけをし、舌先で舐め上げた。
突然のことに実花は叫び声を上げると、止めさせる為に、必死に両手で嵐の頭を押し退けていた。
「止めてよ…、止めてっ、お兄ちゃん!!」
「…実花」
ビクッ
「あ…、うぅ…」
「そうだ。俺にこの身を寄越す約束、忘れるな」
嵐の言葉に実花は抵抗を止め、そのことに気をよくした嵐は、更に実花の下半身を好きに弄び始めた。
下半身に刺激を受けながら実花は航のことを思い、涙を流しながら達してしまった。
泣き、暴れ、恐怖心や羞恥心、快感によって実花の身体には疲労が溜まっていて、達すると同時に意識を手離した実花。
くったりと眠りに就いた実花に気付いた嵐は微笑むと、仕舞っていた実花の下着を取り出して身に着けさせ、自らも身嗜みを整えると実花の額にキスをして車を発進させた。
(実花ちゃん、今日は遅いな…)
翌日、航が学校へ行くと隣の席に実花はおらず、不思議に思っていると担任の教師がやって来て実花について話し始めた。
急な転校が決まったこと、クラスの皆にお礼を言っていたこと、そして、さようならを告げていたことなど。
呆然と担任の話を聞いていた航は、昨日の放課後のことを思い返していた。
(もしかして、このことがあったから…)
話を終えた担任が教室を出て行くと、航はその後を追い掛けて声を掛けた。
「先生!!」
「どうしたの、水野君?」
「あの、実花さんは他に何か言ってましたか…?」
「う~ん…、先生は実花さんにあって無いのよ…」
「え?でも、言ってたって…」
「ご両親が来てね、そう伝えてくれって…」
「でも、どうして急に…」
「先生も気になったから訊ねてみたの。お兄さんの関係みたいなことを仰ってたわ…」
「お兄さん…」
『お兄ちゃんが、航君に迷惑掛けるかもしれないから…』
(お兄さんって、一体…)
「さ、水野君、教室へ戻りなさい。授業が始まるわよ」
「はい…」
教室へと戻る航の背中を見送った教師は、自らも職員室へ足を向けたのだった。
終わり〈オマケ有り〉
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