会長室

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会長室

「失礼します。吉永かりんと申します」 私は会長室に入り、挨拶をして顔を上げると、竹之内翔もいた。 「吉永さん。お呼びたて申し訳ない。孫の翔が公私とともに支えて頂いたようなので、お礼を一言いいたくてね」 会長は、目元が竹之内翔に似ていた。 お礼なんて、今の私は竹之内翔の負担にしかならない。 「翔、いつ籍をいれるんだ?式は落ちついてからでもいいだろう。それより先に吉永さんの親御さんにもお会いしなくてはいけないだろう」 籍を入れるって?私の両親に会うって、どういうこと? 竹之内翔は、私の顔をチラッと見て会長に言った。 「かりんは今日で退職するから、明日にでもご両親にご挨拶に行きたいと思ってる。許可を頂いたら、籍はすぐにもで入れたい」 竹之内翔は、何を言ってるのだろう。 私が別れを告げてから、会ってないのに何を勝手に言ってるの?
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