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「大学受け直したらどうだ。」 恩師は間髪入れずにそう言った。 僕がやりたいこともないのはバレバレだったその中で学校を見つけてきてくれた恩師だったが現状を言うとまさかそんな学校だとは思わなかったという。 二年経ってから受け直すより知識がある内に受け直す方が良いのではないかと。 けれどここで問題があった。 親は高いお金を出して引っ越しやら何やらしてくれている且つ僕に彼女がいることも知っている。 ここで大学を受け直すと言えば お金は? だったら最初から大学受けてれば良かっただろ。 彼女と離れてるのが嫌だからではないのか。 などなど。 正直僕は彼女と離れてるのが嫌だからという理由はまったくなかった。 それほどうまくいっていたから。 ただ本当にここにいてもなんの意味もないと思った。 僕は素直に親に言った。 奨学金借りて行くから大学受けさせてほしいと条件としてダメだったら地元で就職するからと。 案の定親からは怒鳴られるし、彼女の話されるしで。 ただ。 「別に地元の大学受けようだなんて思ってないんだけど、なんだったらこっちが良いんだけど」と言ったら 親はどうやら本当に受け直したいと思ってくれたようで。 「それなら受け直して良い。ただし引っ越しやらなんやらお金出せないから受けるなら戻ってこい。」 これが条件だった。 正直戻るのは本当に嫌だった。だってそれが嫌で上京したのだから。 しかしこのまま専門学校にいてやりたくもない仕事に就くことになるか、4年間猶予が貰えるのかを天秤にかけたとき迷うことはなかった。 そのことを彼女に伝えると、彼女は素直に喜んでた。
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