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そのろくのおまけ。【恭犬のターン】
数日に渡る手下の監察報告によって俺は知っている。
このお母さん気質な眼鏡君はダメ人間に弱いという事を。
手がかかるヤツ程放っておけない不憫なタイプ。
だから。
「綾斗くーん。お茶おかわりー」
※
突然自宅に押し掛け「初めまして君の親衛隊隊長恭犬リキ(きょうけんりき)だよ☆」と告げた俺に「今日は用事があるからちょっと…」と少し大人の対応をしようとした九重綾斗(ここのえあやと)君に残念な俺を演出して見せる。
せめて茶の一杯でも飲ませろと申し出た俺の押しの強さに負け、綾斗君は肩を落とし今に至る。
※
「またですか!?一体何杯飲めば潤うんだアナタの喉は!?次で何杯目か解ってますか!?」
縁側で横になる俺を彼は怒鳴りつける。
「30杯目だよ」
「ご名答だよ!数えてたよこの人!!人ん家でおかわりする回数異常だっての解ってる上だよ!!」
「この前返された綾斗君の写真のお詫びだと思えば、これ位軽いでしょ?」
「人の恥曝しな写真持ってるから僕の手で葬っただけです!」
「駄目だよ。俺の宝物だったんだよ?」
「あんな物持ち歩かれる立場になって下さい!」
「そんなの知らない。其れよりお茶菓子は出ないの?」
「出ないわッ!てか自分の家如く寛がないで下さいッ」
畳の上に座って洗濯物をせかせかと畳みつつ俺に説教をする綾斗君。
キミはどこのお母さんだ。
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