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「うわあ沢山いるー!僕の中学の時の文化祭とは全然違うや」
「本当だ!これぞ高校の学園祭って感じ!活気とか中学とは別物だね!」
人や模擬店の屋台で賑わうグラウンド。
綾斗と錦織が辿りついた時には思った以上に活気があった。
特製のステージ場では生徒によるダンス大会などが開催され盛り上がっている。
まだ開園してから一時間と経っていないのにその盛況振りと独特の雰囲気に、綾斗と錦織はワクワクしてきた。
「綾斗君!休憩時間に絶対ここに来ようよ!」
錦織の提案に綾斗も笑顔で返す。
「うん。絶対来ようね錦織君!んじゃパパっと宣伝終わらせて早く休憩貰える様にしようよ」
「うん!あと綾斗くん、ここに来る途中に考えた宣伝文句覚えてる?」
「大丈夫」
「よし」
錦織は頷いた。
ふたりは特に人の集まりが多い場所へと移動する。
錦織は『1-Aメイド喫茶やってます!』等と書かれている木製のプラカード高々と上げた。
「1年A組でーす!メイド喫茶やってまーす!可愛いメイドと強制的に女装させられた可哀想な男子が接客していまーす!」
続いて綾斗も恥ずかしさを殴り捨てて大声を張る。
「どーぞ僕らを笑いに来てくださーい!」
「可愛いメイドが居まーす!!」
「僕らみたいな可哀想な男子もいまーす!!」
「「1-Aをヨロシクお願いしまーす!!」」
最後にふたり声を合わせると、周りの生徒や父兄から労いの拍手が上がる。
2人はそれにペコペコとお辞儀で返し、お互いに恥ずかしかったとばかりに苦笑いした。
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