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少しづつざわざわと賑やかになってきた1年生のクラスの標識が並ぶ校内の廊下。
「さあーって宣伝用のプラカード持ったし人の集まるとこにでも行って俺らのクラスアピールしに行こっか綾斗君」
「ヤダなあ。本当行きたくないなあ」
衣装に着替え終わりクラスの女子にガッツリメイクまで施された錦織は、何か悟りを開いたかの様にあっけらかんと仁王立ちをした。
それにひきかえ、錦織の隣でうずくまる綾斗はまだ駄々をこねてる。
「錦織君、僕女子に半殺しされるの覚悟で逃げていい?こんな情けない格好してるの万が一姉さんに見つかりでもしたらきっと…殺されちゃう」
その下から仰ぎ見る綾斗に、錦織はコクリと唾を飲み込む。
(なんって云うか…この綾斗君ヤバくない?)
思わずどぎまぎしそうな自分を隠しながら。
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