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理由は、間近な杉の容姿の所為だ。
(なんで同じ男なのにこーも作りが違うんだよ。残念な性格だけど見た目はカッケェな)
しかも彼はジッと綾斗の目から視線を外さないのだ。
綾斗は居心地悪気に視線を漂わせる。
「杉先輩、その、もういいでしょう?僕の足から頭上げて下さい」
「わーった」
意外にも杉は素直に云う事を聞いた。
だが綾斗は忘れてた。
杉と自分との距離が近い事を。
彼が頭を上げるという事は、ますます距離が縮まると云う事で―――
気付いたら杉の顔が間近に迫ってた。
「お前から誘われるとは思ってなかったぜ?」
「ちょ!?そーゆー意味じゃ!?ッンン!!」
否定の言葉が杉の唇に飲み込まれる。
罠にかかってしまった。と、やっと現状を理解した綾斗は彼から逃れようとかぶりを振る。
しかし、後頭部を押さえつけられてしまってるので、彼から逃れる事は出来なかった。
巧みに舌を使って咥内を堪能する杉に綾斗は涙目だ。
「ンッ…!ヤ、メッ!!…ぃ」
翻弄されたくないのに、杉の熱い舌に惑わされ、このまま流されそうになってしまう。
貪る様な口付けを続ける彼の胸倉の辺りを、縋る様に握り締める。
そしてその手に力を込め、一瞬の隙を吐いて口を離す。
「いー加減にしろやァァ!!」
杉の体を綾斗は噴水の中へとぶん投げた
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