そのろく。【猫崎、恭犬初登場話】

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体型は大柄。 髪はボサボサの長髪。 強面の顔に髭を生やしており、年は二十歳そこそこ。 だが学ランを身に纏っている。それも改造された。 男は迫力のある鋭い眼光を綾斗に向けた。 「お前があの九重綾斗か?」 「違います。人違いです」 咄嗟に嘘を吐いたのは、これ以上変な人と関わりたくないからだ。 変り者は身の周りの人間だけで充分だった。 じゃ!と、片腕を挨拶代わりに上げると、男を追い抜いて先を行く。 その襟首を後ろからグイと掴まれた。 「うっ」 「オウオウ人を軽くあしらってんじゃねーよ。俺にウソついた代わりにお前に道を選ばせてやる」 「はぁ?」 背後を振り返る綾斗はさも迷惑そうな眼を返す。 ヤンキーに免疫のある綾斗は以前の様に厳つい人間相手でも怯まなくなっていた。 「ここで俺とタイマン張るか…」 「なんで僕がアナタとタイマン張らなきゃならないんですか。失礼します」 首元の手を払い除け、綾斗は再び帰ろうとする。 「おいテメー!!人が喋ってるときは最後まで聞けって学校で習わなかったか!?」 綾斗はクイと眼鏡を指で上げた。 「や、明らかにその学校の出席日数少なそうなアナタに云われたくないです。失礼ですが何回留年したんですか?」 「煩ェ!!大人しそうな顔して人の心の傷エグってんじゃねェ!!2回だわボケェ」 「うわ…スイマセン。さっきウソついたの含めて謝ります。僕は貴方の云うように九重綾斗です。どうぞ話を続けて下さい」 ささっと掌を横にし綾斗は話を促した。 「オイイ!?明らかに同情した目を向けてくんじゃねーよ!お兄さん余計悲しくなるだろ!」
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