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男は話を仕切りなおそうと一息吐くと続けた。
「俺は隣街の工業高3年の猫崎環(ねこざきたまき)だ。今日はウチの番長の使いで来た」
「番長?」
「そうだ。恭犬リキ(きょうけんりき)っつーウチのトップだ。そいつがお前さんに頼みがあるそーだ」
云いながら猫崎は胸ポケットから一枚の写真を取り出す。
「コレにサインして欲しいんだとよ」
猫崎は写真を掲げた。
「なんじゃこりゃァ!?」
綾斗が絶叫した理由はそこに風呂上がりの自分の姿が映ってたからだ。
眼鏡も掛けずトランクス姿の己の写真を赤の他人が所持していた事態に激しく混乱している。
「何このショットォ!?これにサインってどうゆー事!?そんな事したら僕ただのイタイ人じゃん!!てか此の写真の出処どこ!?」
「あらら。お前さん何にも知ら無いのな。なんだったら、ちょいとサテンでも入って俺が詳しく説明してやろーか?」
猫崎の申し出に綾斗はコクリと頷いた。
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