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「何処から話しゃいい?」
ふたりは喫茶店に場所を移動し会話を続けた。
窓側の席で綾斗は正面に座る猫崎を見つめる。
「何処からって最初から解んないです。そもそも何で僕がヤンキーの方に名前知られてるんですか?」
猫崎はコキコキと首を鳴らす。
「身に覚えがねェのか?お前さん自分とこの杉宗近(すぎむねちか)ぶん投げて名を上げたそーじゃねーか」
「僕が杉先輩を…?」
綾斗は怪しげに眉を歪める。
一瞬遅れて数日前の出来事が綾斗の脳裏に蘇った。
中庭で彼に嫌がらせ(キス)されてその反撃に投げ飛ばした事がある。
「アレは名を上げる為にしたワケじゃありません!!…って、なんでそんな事アナタが知ってるんですか?」
「杉本人がそー触れまわってたぜ?他校交流(喧嘩)がある度に『ウチの1年の九重はお前より強ェ』って」
―――あの馬鹿!!
何余計な事云い降らしてるんだと綾斗の腕は怒りでワナワナと震える。
「しかもお前さん、あの杉宗近にモノ貢がせたんだろ?」
「貢がせる?」
綾斗はキョトン、となるも見当が付いた。
「貢がせたんじゃ無くって、単に杉先輩に眼鏡壊されたから弁償して貰っただけです!」
「そうなんか?でもな、今迄ヤツからんな事された人間いなかったもんだからよ、アイツに惚れてる女逹騒然としてるぞ」
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