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「…マジでか」
「あの杉にそこ迄させる1年ってどんな奴だって話題に昇ってな」
「じゃあ事の発端は全部杉先輩にあるんですね。でもそれとアナタが持ってたあの写真と何の繋がりがあるって云うんですか」
綾斗は怪しげな視線を彼に向けた。
「まあ順に話すから大人しく聞いとけ。まず、お前さんの名前が有名になった。と、なれば他校のモンは顔が知りたくなる。そんでお前と同じ学校の奴に、最近有名になった1年の九重ってやつ知らねえかって聞いたら案外簡単に顔写真が手に入ってよ」
だんだんと綾斗は悪い予感しかしなかった。
「コレ」
猫崎が取り出したのは、姉が販売する例のコスプレ写真。
「やっぱりかぁ!」
綾斗は頭を抱えた。
「コレ見たときゃ驚いたぜェ?あの杉がこんなナヨっちぃカワイ子ちゃんにやられたのかって。その上お前、九重静華の弟なんだってな?ウチの番長がお前の姉ちゃんに、写真の子は女じゃねーのか直接聞きに行ったらハッキリ男だって云ってたぜ?その証拠にって売りつけてきやがった写真が、お前さんの風呂上がり写真ってワケだ」
「何やってんの姉さん!?」
他校にまで恥を撒いてしまった。と綾斗はテーブルに突っ伏した。
「って事はなに?ヤンキーのみなさんの中で、僕の女装写真見た方多いって事ですか?」
声に力の無い綾斗に猫崎は「いや」と首を横に振った。
そのジェスチャーに綾斗の顔に希望の光が差す。
「見たっつーか、写真隠し持ってる奴が多いな」
綾斗は再び絶望の淵に追いやられた。
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