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そしてその週カイリが登校してくる事はなかった。
翌週月曜日カイリは突如として登校してきた。
その外見は魔女に整形手術を受ける前のカイリに戻っていた。
「カイリちゃんどうしたの1週間も休んで顔も変わったみたいだけど」
カイリ「体調を崩していてね、そりゃ顔も多少は変わるかも知れないよ」
多少変るというレベルではないが。
海斗「カイリ大丈夫か?部活は参加できそうか?」
カイリ「やあ久し振り、もう大丈夫だよ部活には参加出来る、迷惑かけたね」
以前の上の空のカイリとは丸で別人で海斗は安堵した。
そして部活後の秘密特訓にて
カイリ「サナエも秘密特訓に参加かい、丁度良かったよ僕も夏が終わったら引退だからね今後は君にノックをして貰わないと駄目なんだ」
そして事件がおこる、発端は海斗だ。
海斗「カイリ、今しか言えないから言う俺は今のお前が好きだ、付き合って欲しいなんでこんなタイミングかは事情があるからだが質問に答えて欲しい、俺はバットを何千回、何万回振ったその豆だらけの手が大好きなんだよ」
カイリの手はバットを振った時に出来た豆だらけの手で女性の手と言うには程遠い。
カイリ「それは本気で言っているのかい?」
海斗「勿論本気だ」
その言葉を聞くとカイリはつかつかと海斗の目の前に行きこう伝える。
カイリ「歯を食いしばってね」
「バキッーーーー!!」
フルスイングでカイリの拳が海斗の顔面にヒットする。
海斗「グフッ」
海斗は倒れこまず何とかふんばれた。
カイリ「君はサナエの気持ちを知っているのかい?彼女は君が好きなんだ君の発言を今この場で言うなんて最低だよ」
海斗「それは知らなかった、ただデリカシーのない事を今この場所で言った事は謝る、すまない、でも今言わないとカイリが急に顔が変わったり学校に来なくなったりする可能性があったので今言うしかなかったんだ」
サナエ「勘違いしないで下さい、確かに海斗さんの事も好きでしたでも今は村井さんの事が好きなんです私は関係ないですよ」
カイリ「それは本当かい?それが本当ならデリカシーのない事をしたのは僕の方だ海斗すまなかったね、許してくれるかい?」
海斗「許すも許さないも悪いのは俺だ、で返事の方は聞かせてもらえるんだろうな?」
カイリ「気持ちは決まっているさ、でも今の状況で返答したい気分じゃないんだ」
海斗「じゃあ甲子園に出場が決まったら俺からもう一回言う、その時に必ず返事を聞かせてくれ」
カイリ「なら甲子園に出場出来なかったら...いや、やめておこうか」
カイリ「サナエもう帰ろう、じゃあね海斗今日の練習は此処までにしよう」
そしてカイリとサナエは家が近い事もあり一緒に帰路を辿る。
カイリ「正直にサナエの気持ちを聞かせて欲しい、本当に海斗にはもう興味ないのかい?」
サナエ「本当に気持ちがなくなったって言うと嘘になる、でも山井さんの事も思ってますよ、カイリさんが思う人が海斗さん一人なら気持ちを伝えて幸せになるべきだと思いますよ」
カイリ「僕の気持ちは一つさ、だから顔を変えてみたり少しでも海斗の目に留まる様に努力もしたさ、こう見えても僕には海斗しかいない。好きで好きで仕方ないんだよ」
サナエ「私は海斗さんとカイリさんはお似合いのカップルだと思いますよ、全力で応援するんで、そして相談にものりますからね」
カイリ「じゃあ僕が学校を休む前の顔とそれ以前と今の顔はどちらが海斗の好みだと思うかな?」
サナエ「海斗さんも言っていたじゃないですか今のカイリさんの事が好きだって、確かに一時期カイリさんは美少女の顔を手にしていて誰もが羨み男性も虜にする事が出来たでしょう、それに比べると正直今の顔は地味ですでもその地味って顔も個性の一つなんですよその強烈な個性とカイリさんの無表情なキャラに海斗さんは惹かれたんだと思いますよ」
カイリ「正直に答えてくれて有難う、そうか僕には個性があるのかでも僕はこの生まれつきのキャラを変える予定はないし変えられそうもない、それこそ魔女に魔法でもかけて貰わないとね」
そのカイリ達の姿を遠くから見ている老婆がいた、魔女だ。
魔女「シンデレラドリームと呼ばれている私の魔法を短期間で解除したのはあの子が初めてだよ、いや魔法というより呪いかな、女性が憧れる美しい顔を手に入れた代償として魂が抜けかかった状態になる、だから何をしても上の空状態になるのさ、それに気付いてか自身の決意かかは分からないが大切な人との接触を1週間避けるといった割とハードルの低い呪いの解除方法を取ったのは正解だね、あの子はあの方が似合っているよせいぜい幸せになるんだね」
カイリは顔を変えた翌日に呪いを解く方法、畢竟顔を元に戻す方法を聞きに魔女の居場所を訪れている。
カイリは海斗にメールを一通送った。
「大好きな海斗へ甲子園に出場出来なかったら僕から告白します」
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