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後の古事記の記述にも出てくるのですが、須勢理毘売命はたいそう嫉妬深いキャラクターとして描かれています。
嫉妬という感情の中には「自分より優れているものを妬む」という意味と同時に、「激しい」という意味も感じられます。
すると須勢理毘売命は、何者かを激しく妬んでいるキャラクターであり、妬みのベクトルは自分よりも上位の者に向けられています。では、上位の者とはいったい何者でしょうか?
「その1」の「国津神」を説明した部分を思い出してみてください。
須佐之男命は、ヤマタノオロチを退治したあと、その尾から出現した草那藝之大刀を天照大御神に捧げて忠誠を誓っています。
天照大御神とは、すなわち大和朝廷のシンボルです。つまり須勢理毘売命は、自分たちを支配している大和朝廷に対して激しい敵意を持つ存在という意味であり、根之堅洲国内における過激派勢力と読むことができるのです。
そしてその過激派勢力は、因幡の国で起こった反乱の様子を、まるで我が事のような思いで見聞きしていたに違いありません。ましてや反乱軍のリーダーは、自分たちと血縁関係のある大国主命です。
大国主命が助けを求めて逃げ延びてくると、根之堅洲国内における過激派勢力はすぐさま大国主命を迎え入れ、意気投合して結託しました。二柱の結婚とはそういう意味だったのだろうと、僕は読んでいます。
( 一一)
少し長くなりましたね。続きは近いうちに「その3」でいたします。
駄文で申し訳ありませんが、よろしければ、またお付き合いくださいませ。
<(_ _)>
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