第10話 不倫の代償

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奥さんにバレたようだと言われたら、何も言いようが無い。 「奥さんと別れて」などと言うほど、自分を(おとし)めたくは無かった。もともと遊びのつもりだったのだから。 ただ、最近、注意が散漫になっていた祐介に少し腹が立った。気をつけていれば、もう少し続いただろうに。 食事後、祐介は理恵をタクシーに乗せ、チケットを渡した。 「理恵、ありがとう」 「楽しかったわ、祐介さん」 そう言葉を交わしてから、タクシーは走り出した。 雨が降ってきたので、タクシーで帰れるのは助かった。窓から流れる街の灯を見ながら、祐介との10ヶ月ほどの付き合いを少し思い出した。 『楽しかったな。もう少し、楽しめたら良かったのに、少し残念・・・』 自分のような活発に動き回る性格には、祐介のように落ち着いた言動で、経験から得た教養の高い男性が合うのだろう。 同世代の男性は、どうもイライラしてしまう。 イライラした同世代の男性・・・、義男だ。 「義男か・・・・。なんか物足りなかったけど、でも、我が儘な私に一所懸命尽くしてくれたなぁ」
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