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義男は、また明日香の中で自分の株を上げられた気がして、そして自分でもスマートに対応できたと満足して、心の中でニンマリした。
義男は、付き合っている女性(今は明日香)と色々なところへ行き楽しむことがもちろん好きなのだが、それよりも女性に喜んで貰うことが嬉しいのだ。
だから今回も、プールへ行けなかったショックはその後の(満足できた)対応で薄らいでいた。
明日香は週末を挟んで6日間の帰省だったので、会えない週末は一週間だけだった。
帰省の時、新幹線に乗る明日香を東京駅へ車で送った。2人でランチを済ませ、手を振って改札へ入る明日香を見送って、さあ帰ろうと思った時に電話が掛かってきた。
名前は出てこなかったが、その番号に見覚えがあった。理恵の番号だ。(電話帳からは消していた)
「どうした?」
「今、ヒマ?」
「いや、外に出てる」
「それは、(会話の)後ろの音で判ってる。この後、なにか用事あるの?」
「いや、無い」どの様に答えようか、瞬間迷ったが、理恵は、いや理恵に限らず今まで付き合った女性はことごとく義男のウソを見破った。声のトーンで判ると言っていた。
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