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『ある』と言っても、『ウソでしょう。どんな用事?』と問われたら答えられないし義男は『お前には関係無いだろう』と啖呵を切れる性格でも無い。
「少し会えない?」
「どうして?」
「少し話しするぐらいいいじゃない」
「彼氏はいいのか?」
「別れたわ」
「・・・・」
「別にあなたが深刻になること無いでしょう。少し会えない?」
「ああ、いいよ」別れたという言葉を聞いて、思わずOKしていた。なにか話をしたいこともあるのだろうと思ったのだ。
理恵が池袋まで出てくるというので、義男は池袋へ向かった。
もう食事も終えていたので、喫茶だけで会った。
理恵は白シャツにワイドなカラーパンツ、サンダル姿で、ラフだったがとても似合っていた。
1時間ほど、話しをした。理恵は、彼氏と別れた話しはせず、義男に誰かと付き合っているのかという質問もせず、それ以外の実にとりとめの無い話だったが、もともと話し上手で、表情やジェスチャーも豊かな理恵との会話は、楽しかった。
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