第11話 サマープール

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過去、色々と痛い目に合わされたにも関わらず、別れて8ヶ月も経つと、嫌な部分の記憶が薄れ楽しかった記憶だけが蘇ってくる。そこが、過去の事をバッサリと捨てることの出来る女性と、過去を引きずる(そしてそれを自分の都合の良いように解釈する)男というものの違いだ。 理恵は、送ろうかという義男に、大丈夫だからと言って電車で帰った。 会話の中で、去年行ったナイトプールも話題になった。義男とは違い、やはり理恵は楽しかった様で、また行きたいなどと言っていた。 ナイトプールは嫌だと言うと、昼間でもいいと言う。以前なら、ナイトプールを否定した時点で不機嫌になっていただろう。 その素直さに驚いた。 義男は、彼氏と別れたのに明るく、そして可愛く(姿では無く態度や仕草)なっている理恵が意外で、なんとなく上機嫌で帰って行った。 ・・・・ 『そろそろ良いかな』理恵は時間を見計らって義男に電話をした。 今日から明日香が実家へ帰ることは、本人から聞いて知っていた。 義男との電話で、義男が明日香を東京駅まで送っていたのが判った。
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