第12話 残暑

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明日香を車に乗せ、いつも良く行く池袋のラブホテルに向かった。 明日香は移動してきた(つまり疲れている)当日にホテルへ直行したいとは思わないが、間隔が空いて明日香を抱きたがっているであろう義男の気持ちには応えてあげたかった。 相手が義男でなければ、こんな時のホテル直行は『この(ひと)は私の女としての躰だけが目的なのか』との不審を抱かせるだけだろう。 だが、義男にそのような感情を(いだ)かないのは、義男のそれまでの誠実な接し方の(たまもの)だ。その中で、彼の性欲の出現タイミングや強さも理解した。だから今日はその性欲にも応えてあげたいと思うし、それが嫌だとは思わなかった。 ホテルでは最初にシャワーで汗を流し、バスローブに着替え、他愛ない帰省中の出来事を話し、『富士の味覚』を食べ、ベッドに座ってテレビを見ていると、抱き寄せられた。 左の乳房を掌全体で包み込むようにして揉まれ、右の乳首を口の中で転がされると、ジワーっと快感が全身を覆う。 我慢できない快感ではなく心地よい快感なので、いつまでも続けて欲しいと思ってしまう。
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