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第13話 9月の夕陽
義男の9月
『女性の胸の谷間は、どうしてあんなに魅惑的なんだろう』
義男はつくづく思った。いや、ずっと、思っていた。中学生の頃、隣の席の女生徒の胸元のボタンが外れており、服の隙間から少しだけ胸の膨らみと谷間が見えた。まだまだ小さな膨らみだったが、その美しさに思わず『ビクッ』としたことを覚えている。それ以来、どうにも女性の胸元が気になる。
成長するに連れ、自分は異常なのかと悩んだが、同時になぜ惹かれるのかも考えるようになった。
大学で付き合っていた女性とセックスを終え仰向けに並んで寝転んでいる時に、彼女の胸を左手で、自分の少し出てきたお腹を右手で揉んだことがある。
目を閉じ何度も感触を確かめた。
しかし、違いは判らなかった。まあ、どちらも脂肪なので、そんなに違いは無いのだろう。
結局、惹かれる理由は判らなかったが、その頃には、どうも全ての男が女性の胸の谷間を見ると、その谷間を作っている山(乳房)を思わず触ってみたくなるものなのだと思うようになった。
いや、『全ての』だと『俺にはそんな下品な趣味は無い』と怒る人もいるだろうから『多くの』に言い換えよう。
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