第13話 9月の夕陽

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会議室からは東京の街に沈む夕陽が綺麗に見えた。会議の内容を聞きながら、それに見入っていた。少し感傷に浸っているような感覚だった。心のどこかで覚悟をしていたのだろう、明日香にバレた時ほどの動揺は無かった。 唯々(ただただ)心が沈んだ。 ・・・・・・・・・・ 明日香の9月 「理恵ちゃん、ごめんね。義男さんは私と付き合っているの」 今まで、夢の中で二度、理恵に話しかけた。でも、現実は何も話せていない。それどころか、義男とも会っていない。 職場で、PCに向かってキーボードを勢いよくたたいている理恵を見て、明日香はため息をついた。 どこかで自分の行動が間違っていたのだろうか・・・。明日香は何度も色々思い出しながら考えてみた。 もし明日香が、義男との付き合いを早い段階、少なくとも理恵が顧客の男性と付き合っている時に伝えていれば、理恵は前向きに祝福したハズだ。理恵の事だ、『え~? ビックリ! 義男、元彼なんです。頼りないヤツですがよろしくお願いします』ぐらい言ったかもしれない。
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