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「うん、あの人、私に心底惚れていると思うのよね。結構、尽くしてくれるから、少しぐらいは大目に見ようかと。でも、明日香は自分の思う通りに判断して!」
「うん・・・」
「私が言ったことは、一つの考え方。こういう考え方もあると言う事。選択肢は広がったでしょう? でも、どれを選ぶかは明日香次第よ」
美佐子の明るさと強さに、少しだけ気が楽になった。
家に戻って、明日香はじっくりと自分自身に自分の気持ちを聞いた。結果、どう考えても、美佐子のように浮気を許せる気持にはなれなかった。
裏切られたと言う思いが消えることは無かったし、もし、このまま付き合ったとしても、会ったときに、あの手で他の女の乳房を触り、あの口で他の女の口を吸い、他の女の秘所を舐めたかと思うと、今までと同じように振る舞える自信はなかった。
それに理恵の事もある。
『自分が(恋を)あきらめればすべて上手く行く』明日香の性格から、その結論に帰結するのは自明の理であった。
自分の中で結論は出したが、義男に伝えるのは週末まで待った。義男の仕事に支障が出てはいけないと思ったのだ。
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