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2.農業祭りと野望
そんなわけで、放課後は即家に帰った。
黒羽さんいわく『今日は部活は休みよ。明日に備えてこいって部長が言ってたわ』と。
案外、気が利くじゃないのよ、変態部長!
私は家に帰ると、着替えもせずに自室にこもった。
クローゼットを開け、どういう服が良いのかを考える。
やっぱりワンピースだろうか。
それとも、ジーンズか?
案外、ロングスカート?
私はそう考えて、ふと気づく。
先生の好みの服って、まったく知らないや。
それどころか、趣味とか休日に何をしているのかとか、好きな色さえ知らない。
急に先生が遠い遠い存在のような気がしてくる。
そこでハッと我に返った。
ダメダメ、後ろ向きになったら明日が楽しめない。
明日、先生とたくさん話していっぱい知るんだ。
先生と生徒の恋の始まりは、明日かも。
なーんてね。
私は「やだーもー、禁断の恋!」と一人で騒ぎながら、服をあれこれと選んだ。
結局、服は長めのカーディガンにTシャツ、ジーンズに決定。
場所が牧場だからTPOも考えなきゃね。
そして、その日の夜はお風呂に3時間浸かり、肌や体を念入りに手入れをした。
こうして明日にバッチリ備えて、夜11時。
いつもよりも1時間以上も早くベッドへ入る。
ああ、明日が楽しみで眠れないよー!
そんなふうに思っていたものの、案外すんなり夢の中へ。
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