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タクシーの中は沈黙が流れていて、ふと、窓の外から視線を恭介さんに向ける
すると恭介さんと視線が絡み、優しい微笑を向けられて私は、更に恥ずかしくなって視線を逸らす
恭介さんとはそれから視線を合わさず、会話をも全くしないで帰路についた
そして、あっという間にタクシーはアパートの前に着いた
「あの、先程の代金、私の分払います。宿泊代と食事代いくらですか?」
シートベルトを外してから別れ際に先程宿泊代を払っていないことに気付いた私は、恭介さんに話し掛ける
「藍璃ちゃん、それは気にしなくいい。前回と同じで俺が突然連れて行ったんだから、君が気に病むことはないよ。それに、食事も宿泊も俺はとても楽しかった。俺はね、藍璃ちゃんと食事をして、あの部屋で過ごしたかったから用意したんだよ。だから俺が勝手に誘った側なんだから、気にしないで」
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